大腿骨転子部骨折に対するセメント併用TFNA骨接合術の短期成績

この論文をさがす

抄録

<p>【はじめに】不安定型の大腿骨転子部骨折に対する,セメント補強型髄内釘の短期成績について調査する.【対象及び方法】2021年4月から2022年1月,大腿骨転子部骨折に対し骨接合術を施行した29例(男6,女23)を骨頭内ブレードを骨セメントで補強したセメント群と,セメントを用いないショートネイルを使用した非セメント群に分けて比較検討した.セメント群は8例,平均年齢92.3歳,非セメント群は21例,平均年齢89.0歳であった.評価項目はTAD(tips apex distance),スライディング量,手術時間,術中透視時間とし,観察期間は3ヶ月で,t検定を用い統計学的解析を行った.【結果】TAD(mm)はセメント群:13.4 vs非セメント群:14.2,スライディング量(mm)はセメント群:1.83 vs非セメント群:2.6で有意差はなかった.カットアウトや再手術に至った症例は両群いずれも認めなかった.手術時間(分)はセメント群:82.7 vs非セメント群:86.5,術中透視時間(分)はセメント群:2.62 vs非セメント群:1.97でこちらも有意差はなかった.【考察】Unsayら(2020年)はCemented TFNAと他のネイルを比較し非劣性と報告している.我々は両群間においてスライディング量や術後のカットアウトに差がみられると仮定して調査を行ったが,今回の調査では有意差は認めなかった.今後経過観察を継続し,中長期的有用性についても検討していく.</p>

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ