維持期の失語症者に対する音読訓練

  • 矢作 満
    在宅リハビリテーションセンター草加

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タイトル別名
  • イジキ ノ シツゴショウシャ ニ タイスル オンドク クンレン

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抄録

音読が困難な維持期の高齢失語症患者に対し,音読正答時に身体接触を随伴させた行動分析学的介入を行った.ベースライン条件では,高頻度語単語の音読を求め回答できた場合,言語による賞賛のみを行った.身体接触条件では,高頻度語単語の音読を求め,回答できた場合,賞賛と身体接触を行った.これらの条件をABABAデザインに配置して効果の検討を行った.ベースライン条件に比較して身体接触条件では音読の正答率が上昇した.また,除去条件でも高い正答率を維持した.身体接触という強化刺激が効果的に働き正答率が上昇したため,課題を行うこと自体が行動内在型強化となり,身体接触という強化刺激を呈示しない条件でも正答することができるようになったものと推察された.音読能力の改善は本介入によるものと考えられ,身体接触による強化が有効であったものと思われた.

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