四肢不全麻痺患者の起き上がり動作に対する応用行動分析学的介入

書誌事項

タイトル別名
  • シシ フゼン マヒ カンジャ ノ オキアガリ ドウサ ニ タイスル オウヨウ コウドウ ブンセキガクテキ カイニュウ

この論文をさがす

抄録

四肢不全麻痺患者に対し,起き上がり動作能力の改善を目標として応用行動分析学的介入を行った.対象者は70歳代の女性,診断は第3-6頸髄レベルの頸髄症.四肢と体幹の筋力低下及び上肢の異常知覚があり,起居動作は全介助であった.また,異常知覚によって動作練習に対する指示従事行動は不十分であった.動作能力は,課題分析によって下位動作に分割し,動作成功に必要な手がかり刺激によって点数化した.練習では,逆方向連鎖化の技法を用い,動作が成功するような環境整備を行った.動作ができた際には即座に賞賛し,点数の向上をグラフ化して賞賛した.介入後10セッションで起き上がり動作が自立した.握力は左右とも増加したが,四肢の筋力や体幹機能,感覚障害に著変はなかった.また,異常知覚による不快感での動作練習の中断はなくなった.応用行動分析学的な起き上がり動作練習は,異常知覚を合併した四肢不全麻痺者においても有効に機能した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ