林地の林業収益ポテンシャルを考慮した人工林伐採の現状と保続性の評価
書誌事項
- タイトル別名
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- The current status and yield sustainability of plantation forest harvesting considering the forestry profit potential
抄録
<p>皆伐面積の急増から、木材供給の保続性が懸念されている。永続的な木材生産を行うためには、許容皆伐面積を見積もり、実際の皆伐面積がそれを超過していないか確認する必要がある。単純に考えると、許容皆伐面積は人工林面積を伐採齢で除すると求まる。しかし、林地の条件は一様ではない。本研究では、九州某市のスギ人工林を対象に、林業収益や公益的機能、社会的条件、再造林率を考慮して許容皆伐面積を算出し、実際の皆伐面積と比較した。まず、想定伐採齢(50年生)で皆伐する場合の森林純収益から、林地をカテゴリ分けした。カテゴリごとに、斜面崩壊の危険度が高い林地と、社会的に皆伐が困難な林地の割合を除外地として設定した。斜面崩壊の危険度が高い林地は地形や表層地質等から特定した。社会的に皆伐が不可能な割合は聞き取り調査から30%~50%とした。このように特定した皆伐の対象となり得る面積に再造林率を掛け合わせ、想定伐採齢で除し、各年の許容皆伐面積とした。衛星画像で特定した皆伐面積と比較すると、許容面積を超過しているカテゴリが複数確認された。結果から、木材供給の保続性評価には、林地の条件の考慮が必要であることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 116-, 2023-05-30
日本森林学会