トドマツ分離集団のイオノーム分析:シュート伸長量を決める遺伝と環境要因

DOI
  • 後藤 晋
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 大森 良弘
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 森 英樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域
  • 種子田 春彦
    東京大学大学院理学系研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Ionome analysis of a segregated population in Sakhalin fir: genetic and environmental factors of shoot elongation

抄録

<p>近年、植物栄養学の分野でイオノームという分析手法が発達しており、葉や根における元素の濃度をハイスループットに測定できるようになってきた。本研究では、高標高産と低標高産で初期成長が大きく異なるトドマツ分離集団を対象に、2020年と2021年に針葉を採取し、トドマツ針葉における20元素の濃度を調べた。各年のシュート伸長量と各元素の濃度の相関を調べたところ、多くの元素が有意に正の相関を示したが、特にK, Mn, Cu, Znの相関が2年ともに高かった。既存研究で用いた連鎖地図を用いてQTL解析を行った結果、2020年には45、2021に24、合計69のQTLが検出され、Mg, Cu, Ca, ZnのQTLが多く検出された。これらのうち異なる元素のQTLが同じ位置で検出されるものが複数認められた。本研究により、多くの元素がシュート伸長に正の効果を示し、その一部は遺伝的に支配されていることが示された。Cu, Znなどについてはモデル植物ではトランスポーター遺伝子がすでに知られており、トドマツにおいても相同性の高い遺伝子が関与しているかどうかを明らかにすることは今後の課題である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928379904
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_146
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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