レクリエーションPESとしてのキノコ狩りの可能性 ー日伊の事例比較

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タイトル別名
  • Potentials of mushroom hunting as recreational PES -Comparison of cases of Japan and Italy

抄録

<p>欧州では、近年、都市住民によるアーバン・フォリッジングという活動も生まれるなど、野生産品の採取・利用に対する関心が高まっている。森林への自由アクセス権の慣習がないイタリアでは、野生キノコの採取チケットの販売が一般的になっている。一方、我が国でも同様な仕組みで財産区所有林を松茸狩りに開放している高畠町(山形県)の事例がある。これらはレクリエーションPES(生態系サービスへの支払い)の一種と考えられ、地域住民と都市住民の衝突を回避するなどの適切な仕組みの構築ができれば、菌ツーリズムという森林サービス産業を生むことが可能となる。今回、ボルゴターロ(イタリア)および高畠町の2箇所の利用者を対象に、居住地と通い時間、チケット価格についての意見、採取本数などについてのアンケート調査を実施し、これに基いてキノコ狩りに費やした費用、採取実績と市場価格に基づいた経済的収支などを算出した。高畠町の事例の場合、調査の回答者の60%が県外者であり、松茸一本当たりの採取経費は10,657円と松茸の価値を上回っているが、松茸の探索という活動自体がそれを埋め合わせるに十分な魅力と価値を有していると考えられる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928384256
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_102
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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