2021年にシカによって剥皮害を受けたサラサドウダン樹皮の1年後の再生状況
書誌事項
- タイトル別名
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- Bark recovery of <i>Enkianthus campanulatus</i> one year after being stripped by sika deer
説明
<p>長野県と山梨県に跨がる八ヶ岳連峰の横岳東側山麓に位置する八ヶ岳高原海の口自然郷は、サラサドウダンの群生地として知られ、樹齢100年以上と推定される巨木もある。しかし近年、シカによる樹皮の食害が増加し、貴重な巨木の食害、枯死などによる個体数の減少が深刻化している。これまでの現地調査から、多くのサラサドウダンが剥皮害を受けたが、剥皮後、樹皮が再生した幹が多く存在することがわかった。2021年5月上旬から9月上旬まで詳細に被害調査した結果、剥皮害後2週間で剥被部表面に新たな組織が作られていることがわかり、同年10月の調査では被害を受けた幹の約半数では、茶褐色を呈した薄層の樹皮状組織が被害部の70%から100%の面積で再生されていた。本研究では、2022年11月に前年10月に調査した被害部の1年後の再生状況を再調査した。その結果、前年に再生された樹皮が再度剥皮害を受けた幹や、前年10月には再生を確認した樹皮が、その後にカビや乾燥等の原因で再生が阻害された事例があった。しかし、前年の被害部が70%以上の面積で再生が維持されていた幹数は被害幹数の約45%と、1年が経過しても高い再生率を保っていた。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 195-, 2023-05-30
日本森林学会