鳥取県の森林環境保全税を活用した竹林整備事業の現状と課題

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タイトル別名
  • Current Status and Issues of Bamboo Forest Improvement Projects in Tottori Prefecture

抄録

<p> 近年、中山間地域では竹林の拡大が問題視されており、一部の自治体では独自の財源を活用した竹林対策が実施されている。鳥取県では竹林の適正管理を目的として、2008年度から県独自の森林環境保全税を活用した竹林整備事業を展開してきた。竹林整備事業は、竹林を竹林のまま活用するための伐採等に対して事業費の一部を補助する事業である。本研究では竹林整備事業の運用方法や実施状況に注目し、竹林整備事業の現状と課題を明らかにすることを目的とした。研究方法として、県内自治体と事業主体を対象とした聞き取り調査と、竹林整備の実績データを用いた分析を行った。</p><p> その結果、事業の実施は鳥取市と八頭町に偏在し、市町村独自の上乗せ補助や機械の貸し出しなどの支援が存在していた。事業実施地の偏在は、竹利用に関する地域住民の関心の高さや、竹を扱う企業・団体が周辺にあることが一因と考えられる。市町村による支援は、財源や支援内容は様々であるものの、事業主体の継続的な事業実施に寄与していると考えられる。一方、事業実施後は所有者自身で管理を行う必要があり、数年で放置竹林に戻るケースが散見された。竹林の持続的な適正管理が今後の課題である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928512128
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_225
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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