1990年代以降における世界の原木・製材貿易と日本の海上輸送システムの変化

DOI
  • 早舩 真智
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林業経営・政策研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in the Log and Timber Trade Structure in the World and Maritime Transport System in Japan since the 1990s

抄録

<p>本研究では、1990年代以降の原木・製材貿易における輸出国・輸入国の相互関係を取引依存度の観点から把握した上で、日本の木材貿易を支える海上輸送システムの地域間の特徴・差異を明らかにすること目的として、統計情報(財務省、国連、FAO)および既往文献調査をおこなった。その結果、輸出国としてはカナダやロシアに加えて、欧州やニュージーランドといった人工林造成地域が台頭し、輸入国としては中国が圧倒的なシェアを占めるに至り、国際市場における木材輸入国としての日本の影響力が低下してきたことが把握された。日本の海上輸送システムにおいては、丸太は環太平洋航路での木材専用船、製材品は環太平洋および欧州航路の定期コンテナ船の利用が主となってきたことが明らかになった。特に製材品輸送におけるコンテナ利用は欧州航路を主として2000年代に急激に普及し、木材の多頻度少量輸送が一般化してきたといえる。他方で、コンテナ取引量の不均衡、港湾のストライキやCovid19による業務停止、スエズ運河等の航路上の要衝でのトラブルによって海運システム全体が停滞するリスクも示唆された。尚、本研究はJSPS科研費21K13339の助成により実施した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928524288
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_213
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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