人工林の管理方針の特徴に関する日中比較

DOI
  • 張 珂
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 石橋 整司
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林
  • 藤原 章雄
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林フィールドデータ研究センター
  • 當山 啓介
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison between Japan and China on the characteristics of management policies for artificial forests

抄録

<p>人工林は、木材生産、環境改善、景観回復、気候変動緩和などさまざまな点で重要な役割を果たしている。中国でも人工林面積と蓄積は継続的に増加しているが、生態系サービスの充実という観点ではまだ十分とは言えない。今後、中国の人工林をどのように管理していけばよいのかを検討する材料として、大面積の人工林造成を戦後進めてきた日本の森林管理方針と比較検討を行った。中国の現在の人工林齢級配置は幼齢林に偏っており昭和60年代の日本の人工林齢級配置に酷似している。当時の日本においてスギ、ヒノキが造林面積の68%を占めたのに対し、現在の中国ではコウヨウザン、グイマツが造林面積の25%を占めており、木材生産能力の向上を目指す管理方針も似ている。急激な人工林造成を進めた日本はその後高齢林化が進み現在に至っているが、中国でも伐採年齢を多様化しつつ造林面積も確保していくなどの方針を進め齢級構成の平準化を考える必要があろう。一方、中国においては飛砂防備のために植栽されている防風・防砂効果の高いポプラが造林面積で全体の14%と2番目に多いなど昭和60年代の日本とは異なり造林目的の多様性が樹種の多様性として現れていると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928551424
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_284
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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