ホオノキの天然更新施業におけるササ刈払いの効果

DOI
  • 岡山 侑子
    富山県農林水産総合技術センター森林研究所
  • 杉田 久志
    富山県農林水産総合技術センター森林研究所
  • 中島 春樹
    富山県農林水産総合技術センター森林研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of dwarf bamboo weeding on seedling regeneration of <i>Magnolia obovata</i>

抄録

<p> ホオノキは里山二次林の主要構成樹種の一つであり家具材としても有用であるため、天然更新施業法の開発が期待されている。林床のササが密な場合には初期成長の速いホオノキでも被陰から抜けるのが難しく、刈払いの必要性や効果を検証する必要がある。富山県氷見市仏生寺のチマキザサ(以下ササ)が密生するコナラ林の伐採跡地(2019年に伐採、全面刈払いを実施)において、ホオノキ実生の位置とサイズを2021年5月に測定した。対照区(刈払いなし)、1回刈払い区(2021年6月のみ実施)、2回刈払い区(2022年6月にも連年で実施)を4反復設置し、2022年秋に実生の生残、被陰状況、成長を調べた。ササの植被率と高さは2回刈払い区のみで抑制されていた。実生の生残率は対照区では71%まで低下したが、刈払いを実施した区ではほとんど死亡していなかった。刈払い回数が多いほど樹高と直径が大きく、形状比は低かった。対照区の実生の多くはササに覆われたが、2回刈払い区ではササを抜けたものが多くみられた。以上より、伐採2~3年後の2年連続の刈払いは実生の成長や被陰状況を改善しており、ホオノキ実生を密なササ林床から抜け出させる効果が高いと期待される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928571264
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_333
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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