重機地拵え後の施工環境の変化および植生の回復-表土を残す作業の効果-

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タイトル別名
  • Changes in the environment and regeneration after site preparation - Effects of leaving surface soil

抄録

<p>高木樹種の天然更新を促進する目的で行われる掻き起こし作業は、天然林施業が盛んな北海道以外の地域ではほとんど実行されておらず、天然林施業の実行可能性の高い北日本の他地域での知見の集積が重要であると考えられる。そこで、これまで多くの事例が存在する褐色森林土の森林とは異なる特性を有する黒ボク土の森林内で2種類の天然更新補助作業を実施して土壌の諸特性および植生の更新状況を比較した。岩手大学研究林内で、通常の搔き起こしと表土を意図的に残す作業である表土戻しを実施した。これまで確認された事例では、表土を残すことで、通常の搔き起こしよりも有意に、養分(無機態窒素)が多い状態が数年単位で続き、結果として更新実生の迅速な成長を促していた。しかし、本研究の結果では、施工から3カ月目には施工間で有意差は見られなくなった。土壌深度別の調査の結果から、黒ボク土では養分の溶脱が速い可能性が示唆された。このように、これまでの知見では更新をより促進する作業であると認識されていた表土戻しが、施工地によっては効力を持たない可能性が示唆された。本発表では上記の結果に加え、植生の定着状況も踏まえた作業の選択について議論する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928609152
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_335
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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