埋没腐植層を通して斜面崩壊・土石流の発生と古環境を考える

DOI
  • 岡本 透
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所

書誌事項

タイトル別名
  • Considering the occurrence of slope failures and debris flows, and paleoenvironment through buried humus layers

抄録

<p>斜面崩壊、土石流が生じた跡地では、滑落崖、谷壁、谷底などにおいて被覆物が削剥されたため、埋もれていた土壌が地表に露出することがある。こうした埋没土は、有機物が蓄積するような土砂移動の少ない地表環境のもとで形成され、きわめて短期間のうちに移動してきた土砂によって覆われたものであり、埋没腐植層とも呼ばれる。崩壊跡地で認められる埋没腐植層は、それを被覆する崩積性の土層と物理的特性が著しく異なる場合があり、崩壊の素因となることがあるため、存在の有無が注目される。また、埋没腐植層は、放射性炭素年代測定などによって埋没した年代が測定され、崩壊の履歴や発生頻度を解明するための指標として用いられる。一方、先に述べたように埋没腐植層は短期間に土砂に覆われたかつての地表面であるため、当時の環境に関する情報を良く保存している可能性がある。これらのことを踏まえて本発表では、過去の環境を解析する手法として、植物性微化石を用いる花粉分析、植物珪酸体分析、植物体が燃えた痕跡物を用いる微粒炭分析の方法を概説するとともに、研究例もあわせて紹介する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928633216
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_39
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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