国有林史料を活用した山地森林環境の史的分析

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タイトル別名
  • Historical Analysis of Mountain Forest Environment using "National Forest Historical Documents"

抄録

<p> 本研究では、旧営林局に残された史料群(国有林史料)の分析により、近代日本における官林(国有林)の資源状況や利用の特徴について考察する。対象は史料の残存状況等に鑑み秋田県域とする。主な使用史料は東北森林管理局所蔵の施業案関係史料である。1890年、秋田大林区署は官林の仮施業案を編成した。実務は各小林区署が担当し、面積・樹種・林齢・本数・材積・毎年伐採高等が把握・計画された。阿仁銅山(のち阿仁合)・長木沢両小林区を例にとり樹種別本数の割合(上位2位、樹種表記は史料通り)をみると、前者は雑(91.4%)、檜(4.5%)、後者は杉(58.1%)、雑(41.7%)となり相違が認められた。99年の国有林野特別経営事業開始により、秋田大林区署管内の国有林についても施業案・同説明書が作成された。説明書には地況・林況、木材需給と他産業との関係、施業方針等が記載された。阿仁合小林区小又(09年)・大又両事業区(10年)の説明書を例にとり蓄積をみると、前者は約499万尺〆で82.9%を雑木が占め、後者は約422万尺〆で97.6%を雑木が占めた。両区とも利用は阿仁鉱業所への払下げが主で、08年の払下げ量は両区合計でスギ約11万尺〆、雑木約19万棚であった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928637440
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_41
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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