中央アルプスの亜高山常緑針葉樹林における下層木の13年間の標高別林分動態

DOI
  • 小林 元
    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
  • 向井 智咲
    信州大学農学部

書誌事項

タイトル別名
  • 13 years dynamics of understory in a subalpine evergreen coniferous forest at different elevation in Japan Central Alps

抄録

<p>信州大学西駒演習林の70年生亜高山帯常緑針葉樹林二次林に設置された固定試験地において,下層木の林分動態について検討した。標高2045m,2255m,2453mの固定試験地内に設置された10m×10mのサブプロットにおいて,樹高0.1m以上,1.5m未満の下層木の毎木調査を2009年,2013年と2022年に行った。2000mプロットにおいては,前回調査時(2013年)と比べて下層木全体の死亡率は増加し,新規加入率は低下した。特に高木性広葉樹の死亡率が大きく増加したが,針葉樹は逆に新規加入率は増加した。このことから,2000mプロットでは今後は本数密度比の63%を占める広葉樹が針葉樹と入れ替わっていくことが予想される。2200mプロットにおいても前回調査時と比べて下層木全体の死亡率は増加したが,新規加入率の低下は小さく,下層木の本数密度比の70%を占める針葉樹後継樹の個体数は増加していた。本数密度が最も高い2400mプロットにおいては,前回調査時と比べて下層木全体の死亡率はほとんど変わらず,新規加入率は増加していた。しかしながら新規加入率は依然として死亡率を下回っていたことから,下層木の本数密度比の89%を占める針葉樹後継樹の個体数はわずかに減少していた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928687360
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_449
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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