クリの萌芽と潜伏芽の関係性

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タイトル別名
  • Relationships between sprouting and epicormic buds of <i>Castanea crenata</i>

抄録

<p>樹木の萌芽再生能力は薪炭林施業において森林を反復利用する際に欠かせない性質であるが、近年は里山林の利用放棄が進み、母樹の老齢化による萌芽再生能力の低下が指摘されている。しかし高齢の薪炭林での萌芽能力の低下の進行度合いや低下するメカニズムについてはまだ明らかになっていない。近年我々の研究グループでは、X線CT画像を用いてブナ科広葉樹内部の定芽の履歴を三次元で可視化することにより、潜伏芽が樹木内部に残す痕跡(bud trace)を追跡し、萌芽能力の時系列での消長を計測する技術を開発した。本研究では日本の里山林における中核的な樹種であるクリを対象に、伐採による潜伏芽の動態調査と、X線CT装置を用いた潜伏芽の生産から消失までの履歴を追跡する調査を組み合わせることで、その萌芽再生能力の特徴を解析した。今回観察したクリ10個体において、肉眼で確認可能な潜伏芽の数は他のブナ科の樹種と同程度であったが伐採実験で確認された萌芽枝は少なかった。またCT画像から確認された潜伏芽の数は肉眼で確認された数の数倍多かったが、そのうち形成層まで到達する芽は約半数ほどで、生長初期の萌芽能力は高いが約10年で約半分が失われる傾向にあった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928712320
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_463
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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