室内燃焼実験によるスギ・アカマツ・カラマツの葉リター層の延焼速度

  • 吉藤 奈津子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 小南 裕志
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 深山 貴文
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 髙瀨 椋
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 上川 大輔
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Laboratory measured flame spread rate in foliage fuel bed of Japanese cedar, red pine, and larch

説明

<p>林野火災は一般に林床のリターが燃える地表火から始まり、その勢いが増すと樹冠火となり急激に被害が拡大する。林野火災リスクを評価するには地表火が発生した場合の延焼速度や強度を様々な森林で推定する必要があるが、野外で実際に発生した林野火災でデータを得ることは難しい。本研究では、スギ穂先(大・小)、アカマツ葉、カラマツ葉のみをそれぞれ林床可燃物として敷き詰めた単純な模擬林床を用いて、無風・傾斜0の条件で室内燃焼実験を行い延焼速度を測定した。スギ穂先とアカマツ葉では単位面積当たりの可燃物量が多いほど延焼速度が速く、同じ可燃物量ではアカマツよりスギの方が延焼速度が速くなる傾向がみられた。スギ穂先(大)はスギ穂先(小)よりパッキング率(堆積状態にある可燃物の充填度)が小さく、延焼速度が速かった。カラマツ葉の模擬林床では着火後に火炎が伝播せずに消えた。カラマツ林で実際に火災が発生した記録があるが、カラマツ林で地表火が延焼拡大するには、風速が大きいこと、林床可燃物にカラマツ葉以外の葉や枝など多様なリターが含まれること、含水比が極端に小さいこと、などの条件が必要になると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928740352
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_506
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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