北関東地域の森林小流域における渓流水質の長期変動

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タイトル別名
  • Long-term changes in stream water chemistry of forest watersheds in North Kanto region

抄録

<p>気候変動や大気沈着の負荷により渓流水質の劣化が懸念される。本研究は、北関東地域の森林における渓流水質の長期的な変化とその要因を検討した。</p><p>調査地は群馬県みどり市の東京農工大学FM草木・大谷山である。計37ヶ所の源頭付近の小流域の末端で渓流水を採水した。現場で水温、EC、pHを測定し、主要陽イオン、陰イオンをイオンクロマトグラフィ、ケイ素および微量元素をICP-MSで分析した。</p><p>本調査地の渓流水質は、初期は1992年に調査され、施肥前歴が小流域間のNO3-およびCa2+濃度の影響因子であることが明らかにされている。2007年と2022年にも同様の調査が行われ、それぞれ30、15年前、現在として、水質の長期変化の検討を行った。</p><p>全ての小流域において、30年間の時間経過にともなう主要陰イオン濃度は低下傾向だった。Cl-およびSO42-は沈着量の減少、NO3-は施肥の影響が薄れてきたことが要因と考えられた。一方、主要陽イオン濃度は30年間で変化がみられず小流域ごとに一定の濃度であり、その濃度の違いには地質が影響を及ぼしていた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928756480
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_522
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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