モミサルノコシカケ接種20年後のトドマツにおける腐朽進展状況

DOI
  • 山口 岳広
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所

書誌事項

タイトル別名
  • Advance of stem sap-rot on Sakhalin fir 20 years after the inoculation with <i>Fomitiporia hartigii</i>

抄録

<p> トドマツ溝腐病は,白色腐朽菌であるサルノコシカケ(Fomitiporia hartigii)により幹辺材腐朽と形成層壊死による幹の溝状陥没が生じる病害で,北海道ではトドマツ天然木・造林木ともに広く被害が見られる。この菌の長期間にわたる腐朽の進展を明らかにするため,本菌をトドマツ生立木に接種し樹皮病斑の進展と子実体の発生経過を20年間観察した。モミサルノコシカケ3系統を種駒に6ヶ月培養後,2001年10月と2002年4・8月に培養種駒を生枝跡に打込んで接種した。毎年6〜7月に接種部付近の病斑サイズと子実体の発生動向を記録した。20年経過後に接種木を伐採・玉切りして横断面を写真撮影し材内部の腐朽進展長と腐朽材積を求めた。病斑は最も早い例で接種4年後から発生が確認され,接種20年後までに接種箇所の半数近くで樹皮病斑が生じた。子実体は最も早い例で接種10年後に出現し,20年後までに生じた病斑の半数以上で子実体発生を確認した。接種20年後の樹皮病斑進展長・病斑幅・病斑面積と材内腐朽進展長・腐朽材積には正の相関があり,病斑サイズから材内腐朽進展長や腐朽材積を推定できる可能性が示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928793088
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_623
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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