ナナカマドの胴枯病について
書誌事項
- タイトル別名
-
- Canker disease of <i>Sorbus commixta</i>
説明
<p>東北および北海道において街路樹や公園木として植栽されたナナカマド(Sorbus commixta)に胴枯被害が激発している。本病害は1970年代に報告されたLeucostoma属菌2種によるレウコストマ胴枯病と類似した症状を呈するが、その病原の異同は不明である。蓑島(2020)により、北海道名寄市のナナカマドにおいて発生した胴枯症状については、LeucostomaではなくCytospora属菌による可能性があることが明らかにされたが、その種名と病原性は十分に検討されていない。そこで本研究では、北海道札幌市および鹿部町で確認されたナナカマドの胴枯性病害の病原の解明を目的に研究を行った。その結果、胴枯症状部上で観察された糸状菌は、その形態的特徴からCytospora属菌の一種と同定された。また、分離菌株のrDNA ITS, LSU, act, rpb2領域を用いた分子系統解析の結果、分離菌株は海外でSorbus属へ寄生の報告がある既知種のC. sorbiと近縁な独立クレードを形成した。本研究で確認されたCytospora属菌は、C. sorbiと比べて分生子が小型であることからも未記載種の可能性がある。本発表では、接種試験による病原性の確認の結果についても併せて報告する。</p>
収録刊行物
-
- 日本森林学会大会発表データベース
-
日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 617-, 2023-05-30
一般社団法人日本森林学会