九州山地における防鹿柵内外でのブナ樹冠下環境と土壌微生物相の違い

書誌事項

タイトル別名
  • Differences in understory environment and soil microbiome between inside and outside deer fences in Kyushu

説明

<p>九州山地では、シカによる食害で下層植生が消失し、その後の激しい土壌の露出と侵食が引き起こることにより、土壌生態系が劣化する可能性がある。土壌生態系衰退の防止や生物多様性の維持には防鹿柵の設置が効果的であるが、土壌中の微生物(真菌類と細菌類)の多様性や機能性がどの程度維持されているかについてはわかっていない。そこで本研究は、ササが繁茂する柵内とササが消失した柵外におけるブナ樹冠下の環境および土壌中の微生物相の違いを明らかにすることを目的とした。調査は熊本県あさぎり町の白髪岳山頂付近において、2005年より設置された防鹿柵内外で行った。柵内外のブナの個体周辺の環境を測定したところ、柵内のササ密度およびリター量は、柵外に比べて高かった。樹冠下の土壌DNAの解析の結果、真菌類のα多様性が柵内の方が有意に高く、β多様性は真菌類と細菌類ともに柵内外で有意な差があったが、機能性は真菌類と細菌類ともに柵内外で差がなかった。柵を設置することで、下層植生、土壌微生物の多様性を保全する効果がみられた一方で、柵外の土壌微生物の機能性は異なる種構成ながら維持されていることがわかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859215928854400
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_660
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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