首都圏方言の二重対格構文

書誌事項

タイトル別名
  • Double Accusative Constructions in the Tokyo Metropolitan Area Dialect: A Difference in Well-formedness between =<i>o</i> and =<i>Ø</i>
  • 首都圏方言の二重対格構文 : オと無助詞による適格性の違い
  • シュトケン ホウゲン ノ ニジュウ タイカクコウブン : オ ト ムジョシ ニ ヨル テキカクセイ ノ チガイ
  • ──オと無助詞による適格性の違い──

この論文をさがす

抄録

<p>現代日本語共通語には同一節内の成分として対格名詞句を複数とりにくいという「二重対格制約」があるとされる。本研究では,共通語の地理的基盤と言える首都圏の方言において対格にオとØ(無助詞)があるとの前提に立ち,15種の二重対格構文について2つの対格句の4つの格パターン[オ-オ][オ-Ø][Ø-オ][Ø-Ø]の適格性を6名の話者に判断してもらった。その結果,首都圏方言における二重対格構文は,(a)4つの格パターンのいずれでも容認度が比較的高いタイプ(「~の中オXオ探す」等),(b)[オ-オ]に比べ[オ-Ø][Ø-オ][Ø-Ø]の容認度が高いタイプ(「たかしオ頭オたたく」「車オ門オ通す」等),(c)4つの格パターンのいずれでも容認度が低いタイプ(他動詞使役文等)に分類できることが分かった。(c)は統語的な制約としての二重対格制約の存在,(b)は表層の形態上の制約としての二重オ格制約の存在を示すと言える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ