壮年期発症のBlake’s pouch cystの1手術例

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タイトル別名
  • A Case Of An Elderly Patient With Blake’s Pouch Cyst
  • ソウネンキ ハッショウ ノ Blake's pouch cyst ノ 1 シュジュツレイ

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抄録

Blake’s pouch cyst (BPC)は第四脳室から小脳下後方に拡大した嚢胞で,先天性非交通性水頭症と考えられているが,特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus: iNPH)様の経過をたどる高齢発症例の報告が散見され,交通性の機序が関与していると推測されている.BPC様に脳室拡大を呈した壮年期発症例に腰椎腹腔短絡術を施行し,良好な結果を得られたため報告する.症例は68歳男性.2年前から歩行障害が徐々に進行し,独歩が困難となった.体幹失調を認め,開脚すり足歩行でつたい歩きであったが,認知症や尿失禁はなかった.また,左方視で複視を訴えた.CT上第四脳室を含む脳室拡大と後頭蓋窩髄液腔の拡張を認め,MRIで第四脳室脈絡叢は小脳虫部前方にみられ,中脳水道,Magendie孔,Luschca孔および大孔に閉塞起点はなかった.Tap testを施行し,複視は消失し歩行障害は改善したため腰椎腹腔短絡術(Strata, shunt 設定: 1.5)を施行した。術直後より複視を含め症状は改善し,歩行も動揺なく安定したため外来通院している.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 45 (2), 129-132, 2023-06-01

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (6)*注記

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