マーモセットの脳における階層的予測符号化の時空間構造

DOI
  • 小松 三佐子
    東京工業大学 科学技術創成研究院 理化学研究所 脳神経科学研究センター

抄録

<p>脳は, 時々刻々と入力される刺激に対し絶え間なく般化と予測 (予測符号化; predictive coding) を行っている。予測符号化の枠組みでは, 脳は常に感覚入力の予測を生成し, 実際の入力との比較に基づく予測誤差に応じて内部モデルを更新する。しかしながら予測符号化の重要な特徴である階層性の神経基盤はまだ十分に分かっていない。一方, 統合失調症などのバイオマーカーとして期待されるミスマッチ陰性電位 (MMN; mismatch negativity) はしばしば予測符号化の枠組みで議論されており, 予測符号化の神経基盤を解明することは病態生理の解明に寄与すると期待される。本稿では, local-global paradigmと呼ばれる, 2つの異なる時間的規則で設計された聴覚刺激を用いた霊長類研究について, 予測符号化の時空間的階層性に着目して概説した。</p>

収録刊行物

  • 臨床神経生理学

    臨床神経生理学 51 (3), 120-125, 2023-06-01

    一般社団法人 日本臨床神経生理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390859293124173696
  • DOI
    10.11422/jscn.51.120
  • ISSN
    2188031X
    13457101
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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