3軸加速度計付き活動量計を用いた生活スケジュール別における活動量の評価藤

DOI
  • 原 和志
    ロッツ株式会社 リハ特化型訪問看護ステーションさんぽ 武蔵小杉
  • 東馬場 要
    ロッツ株式会社 リハ特化型訪問看護ステーションさんぽ 武蔵小杉
  • 阿比留 友樹
    ロッツ株式会社 リハ特化型訪問看護ステーションさんぽ 武蔵小杉

抄録

<p>【目的】</p><p>生活期リハビリテーションにおいて運動や日常生活活動等の身体活動量の把握は重要であり,食事や睡眠・休養、喫煙等と並んで健康に影響するとされる.しかし在宅サービスでは身体活動の量的把握は難しく,特に歩行以外の活動の報告は少ない.そこで今回,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)を利用する2症例を対象として,生活スケジュール別における身体活動量を3軸加速度計付き活動量計を用いて測定し,その特徴を明らかにすることを目的とした.</p><p>【症例】</p><p>対象は,当事業所の訪問リハと通所介護(以下,DS)を週2回ずつ利用している2症例とした.症例1は要介護2の脳梗塞後遺症を呈した70歳代男性.移動は四点杖歩行にて屋内自立,屋外一部介助.ADLはBarthel Index90点.症例2は要支援2の脳梗塞後遺症を呈した80歳代女性.移動はシルバーカー歩行にて屋内自立,屋外は見守り.ADLはBarthel Index95点.</p><p>【方法】</p><p>日常生活中の身体活動量の測定は活動量計(Active style Pro HJA750C,オムロンヘルスケア社製)を用い入浴以外を除く24時間,7日間の測定を行った.測定項目は一日の総活動時間と活動強度別に1.5 METs 以下の座位行動,1.6-2.9 METsの低強度活動,3.0 METs 以上の中高強度活動の時間を算出した.また活動量計での測定とともに質問紙による一日の生活スケジュールの記載を依頼した.分析方法は訪問リハ日,DS日,利用なし日での各1日の測定項目の比較を行った.</p><p>【結果】</p><p>生活スケジュール別における身体活動量を訪問リハ日/DS日/利用なし日の順で示す.一日の総活動時間(分)では,症例1は559/560/894,症例2は998/1059/1101と2症例ともに利用なし日が最も長い活動時間を示した.活動強度別の時間(分)では,症例1は座位活動を448/376/760,低強度活動・中高強度活動111/184/134,症例2は座位活動を838/795/938,低強度活動・中高強度活動を160/264/163と2症例ともに座位活動は利用なし日,低強度活動・中高強度活動はDS日が最も長い活動時間を示した.質問紙より症例1の座位行動ではテレビ等の余暇活動,症例2の座位行動は脳トレや棒体操等の趣味活動・自主練習が多くを占めた.</p><p>【結論】</p><p>今回生活スケジュール別での身体活動量の特徴を整理することができた.生活スケジュールが類似した2症例でありスケジュール別での身体活動量も同様の傾向を示した.活動強度が高い割合を示したのはDS日であったが,総活動時間では2症例ともに利用なし日が最も長く,一日を通した活動時間に着目した評価も重要であると考える.また活動時間と併せて質問紙にて活動の種類を把握することで活動の質の評価も可能となり,時間帯や内容を考慮したより具体的な生活指導に繋がると思われる.</p><p>【倫理的配慮、説明と同意】</p><p>対象者に対して本研究の目的,方法を説明し,研究参加の同意を得た.</p>

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