薬物性肝障害が先行した乙字湯による薬剤性肺障害の1例

  • 片野 拓馬
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)
  • 天野 瞳
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)
  • 荻須 智之
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)
  • 田中 博之
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)
  • 梶川 茂久
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)
  • 伊藤 理
    愛知医科大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科)

書誌事項

タイトル別名
  • DRUG-INDUCED LUNG INJURY DUE TO OTSU-JI-TO FOLLOWED BY DRUG-INDUCED LIVER INJURY: A CASE REPORT
  • ヤクブツセイ カン ショウガイ ガ センコウ シタ オツジ ユ ニ ヨル ヤクザイセイ ハイ ショウガイ ノ 1レイ

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説明

<p>症例は69歳女性.便秘症に対し乙字湯が処方され,14日後に肝機能障害を来し,22日後に胸部CTで広範なすりガラス影を伴う呼吸不全のため入院した.重症呼吸不全に進展したが,乙字湯中止とステロイドパルス療法により軽快した.乙字湯のリンパ球刺激試験は陽性であり,臨床経過と併せ,アレルギー機序の乙字湯による薬剤性肺障害と診断した.本例のように,乙字湯は肝障害だけでなく重症薬剤性肺障害を続発させる可能性がある.乙字湯などの黄芩(オウゴン)含有漢方薬による肝障害を来した場合は,肺障害の評価と薬剤中止が重要である.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 72 (4), 388-392, 2023

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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