脊椎疾患に対するピラティスによる運動療法の可能性

DOI
  • 藤谷 順三
    徳島大学大学院医歯薬学研究部地域運動器・スポーツ医学分野
  • 西良 浩一
    徳島大学大学院医歯薬学研究部地域運動器・スポーツ医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Potential of Pilates Exercise Therapy for Spinal Disease

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抄録

<p>腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)に示されたように,腰痛治療の選択肢として運動療法は重要である.近年,Motor Controlの概念に基づくピラティスの有効性が注目されている.ピラティスのコンセプトは,Joint by Joint Theoryに基づき,低可動な胸椎・股関節は可動性(mobility)を,過可動な頸椎・腰椎は安定性(stability)を向上させることで,脊椎へのメカニカルストレスを低減・分散させることである.</p><p>ピラティスによる運動療法を行う際は,呼吸に伴う体幹筋群のdraw-in & bracing,脊柱や四肢の長軸方向の伸長,脊柱の分節的な動き,四肢の分離運動,全身の統合を常に意識させる.また,疾患によってアプローチが異なり,例えば,腰椎後弯症の場合は,胸椎のmobilityを向上させた上で,腰椎・骨盤(コア)のstabilityを図る.一方,腰椎椎間板ヘルニア術後の場合は,まずコアの安定を図り再発予防につなげる.</p><p>現在,当院を拠点に関連病院と連携し,ピラティスによる運動療法を推進している.今後,ピラティスが腰痛患者の運動療法のゴールドスタンダードとなるべく,検討を重ねたい.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 14 (6), 869-877, 2023-06-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

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