畑条件における有機質資材窒素無機化予測モデルの検証

  • 望月 賢太
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 小林 創平
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 井原 啓貴
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 渕山 律子
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 古賀 伸久
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター
  • 仁科 一哉
    国立研究開発法人国立環境研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Field validation of a model to predict nitrogen mineralization of organic amendments in soil
  • ハタケ ジョウケン ニ オケル ユウキシツ シザイ チッソ ムキカ ヨソク モデル ノ ケンショウ

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説明

<p>酸性デタージェント可溶有機態窒素含量を入力変数として組み込んだ有機質資材の窒素無機化予測モデルについて,畑圃場における予測精度の検証試験を行った.有機質資材からの窒素無機化量を予測するモデルはこれまでにあったが,その予測値を圃場条件で経時的に検証した例はほとんどない.本研究では,圃場条件における予測値の経時的検証に加えて,圃場環境における予測モデルの誤差要因についても解析を行った.2作期,5資材の施用試験(合計10資材区)の結果,9資材区において施用初期に予測値の過小評価が見られた.菜種油かすや無機化率が高い鶏ふん堆肥では高い精度で予測できたが,無機化率が低い鶏ふん堆肥や,豚ぷん堆肥では,予測精度が劣る傾向がみられた.環境要因が予測誤差(予測値と溶脱補正前の実測値の差)に与える影響の解析では,「降雨による窒素溶脱の影響」に正の相関(偏回帰係数0.90),「施用後の日数の影響」に負の相関がみられた(偏回帰係数−0.12).「施用後の日数の影響」について,施用初期に予測値が実測値を過小評価したが,この現象は反応速度論的解析を用いた他のモデルを使用し無機化量を予測した際にも生じた.これらの点を踏まえて,本試験に用いた窒素無機化予測モデルは,施用初期に予測値の過小評価が見られるが,予測誤差に与える影響が大きい窒素溶脱の補正と併せることで,より正確に土壌中の資材由来無機態窒素量を予測できる可能性が示された.</p>

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被引用文献 (1)*注記

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