助産師の乳房マッサージおよび搾乳器が乳房に及ぼす力学的作用

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  • Mechanical effects of a midwife massage and breast pumps on breasts

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説明

授乳婦の乳房ケアにおいては,助産師の乳房マッサージや搾乳器が用いられる.それらの荷重が乳房に与える力学的作用は明らかになっていない.そこで,乳房,手指,搾乳器の3次元モデルを作成し,有限要素法(FEM)によるシミュレーションを用いて,両手法が乳房に及ぼす力学的作用を明らかにした.助産師の乳房マッサージと搾乳器の吸引を比較した場合,乳房に及ぼす引張・圧縮作用の位置や方向に相違点が確認されたが,いずれも乳房内部に対しても力学的作用を及ぼしていた.助産師の乳房マッサージにおいては,位置や方向が変化する局所的な加圧であること,搾乳器においては搾乳口形状が寄与していると考えられた.また,乳頭直下部に対しては,引張もしくは圧縮が作用していた.これにより,乳頭直下部に集中する乳管には走行方向と直行する方向に圧縮が生じていることが推測され,この作用が排乳に関与している可能性が示唆された.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→搾乳器の研究開発にあたって,乳房から排乳するメカニズムを知りたいと考えたことがきっかけでした.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 排乳メカニズムの解明により,母乳育児を望む方への支援に貢献できると考えています.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→搾乳や哺乳に関して,乳房の状態を簡易的に観察,測定できる手法が確立されることが望まれます.

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