口蓋扁桃摘出術後の出血リスク予測におけるAPTTの有用性

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  • Utility of APTT for prediction of postoperative hemorrhage after tonsillectomy

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抄録

口蓋扁桃摘出術は一般的な手術だが,一定の確率で術後出血をきたす.口蓋扁桃摘出術を施行した243例を対象に,術後出血のリスク因子として年齢,性別,扁摘に至った原因疾患,術前APTT,術者の耳鼻咽喉科経験年数,手術時間,術中出血量を検討した.術後出血は54例(22.2%)に認め,全身麻酔下の止血を要したものは7例(2.9%)であった.ロジスティック回帰分析の結果では男性,習慣性扁桃炎,術前APTT延長が術後出血の独立したリスク因子であった.APTTは術前検査として広く用いられるが,異常を認めても精査されることは少ない.APTT延長例では術後出血のリスクが高いため,凝固異常疾患を念頭に家族歴の聴取と精査が必要である.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 36 (2), 205-212, 2023

    日本口腔・咽頭科学会

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