クローン病の診断に至った肉芽腫性扁桃炎の1例

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タイトル別名
  • A case of granulomatous tonsillitis leading to the diagnosis of Crohn’s disease

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抄録

肉芽腫性扁桃炎は扁桃組織に肉芽腫を形成する非常に稀な疾患とされており,その原因疾患は様々である.今回我々は,口蓋扁桃摘出術を契機にクローン病の診断に至った肉芽腫性扁桃炎の1例を経験しこれを報告する.症例は28歳女性で,習慣性扁桃炎に対して口蓋扁桃摘出術を実施した.口蓋扁桃の病理組織学的検査で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の形成を認め,全身の精査を行ったが原因疾患の診断につながる所見は得られなかった.術後45日目から消化器症状が出現し下部消化管内視鏡検査を実施した.回腸粘膜に縦走潰瘍を伴う易出血性の粘膜炎を認めクローン病の診断に至った.本症例の肉芽腫性扁桃炎は,クローン病の先行した口腔病変と考えられた.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 36 (2), 228-233, 2023

    日本口腔・咽頭科学会

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