公認心理師のコアカリキュラムを考える:公認心理師養成大学教員連絡協議会(公大協)による試案

説明

<p>これまで公認心理師養成大学教員連絡協議会(以下,公大協)は,公認心理師の養成について検討し提言してきたが,その集大成として,「公認心理師教育コアカリキュラム」の試案を作成し,2022年5月に「中間報告ver.2」を公表した。試案は公大協のウェブサイトで一般公開されている。</p><p>コアカリキュラムとは,専門職の養成において,全大学で共通する「コア」の部分を抽出し,体系的に整理したもので,医師,歯科医師,看護師,薬剤師,教師などについて作成されている。公大協のコアカリキュラム試案では,公認心理師の実践能力(コンピテンシー)を明らかにし,それを「到達目標」として,知識と技能の獲得を体系化した(いわゆるOutcome-based educationの考え方)。また,大学および大学院・実務経験プログラムの各段階の到達目標とカリキュラムを整理することで,公認心理師養成の全体像を明らかにしようと試みた。学生にとっては,カリキュラムの全体像と各段階の学修の意義が理解でき,学修の動機づけが高まり,キャリアパスの展望を持つことができる。また,養成機関においては,養成の「コア」となる標準的なコアカリキュラムが作られることによって,具体的なカリキュラム作成のモデルとすることができる。さらに,公認心理師試験の出題基準を検討する際にも役にたつと考えられる。</p><p>コアカリキュラム案作成は,公大協の4つの委員会を中心におこない,日本学術会議 心理学・教育学委員会の5つの分科会と連携して検討した。作成に当たっては,現行の制度と構造に従い,大きな変更はできるだけ行わないようにしたが,そのうえで,公大協としてどうしても必要と考えた点については修正をおこなうことにした。</p><p>本シンポジウムでは,まず,公認心理師制度推進室から「公認心理師の現状と課題」について話題提供をいただく。続いて,コアカリキュラム案作成に携わった4つの委員会から,その経過と内容などを話題提供する。最後に,医学と養成校の立場から指定討論をいただき,公認心理師養成の今後のあり方を議論したい。</p>

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