国内の主な新型コロナウイルス変異株の感染状況と栄養素摂取量の関連性

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Nutrients and Variants of COVID-19 in Japan by Ecological Research Method
  • ─生態学的研究─

抄録

<p>【目的】近年の国内のCOVID-19 (以下新型コロナウイルス感染症) の主たる変異株の感染拡大状況と,主な栄養素等の摂取状況を,地域ごとに比較し,その関連を検討した。</p><p>【方法】国民健康・栄養調査から,国内の12地域ブロックごとの栄養素等40項目および都道府県ごとの野菜の摂取量と,厚生労働省のオープンデータ,総務省統計局,国立社会保障・人口問題研究所のデータから,地域,都道府県ごとの第4~6波の新型コロナウイルス感染症の陽性者数との関係を,人口密度や平均年齢を考慮し,順位相関分析および回帰分析により検討した。</p><p>【結果】新型コロナウイルス感染症の陽性者数と有意な相関を認めたものは,第4波では,たんぱく質 (全体ρ=0.639,動物性ρ=0.784),コレステロール (ρ=0.622),食物繊維 (全体ρ=-0.725,不溶性ρ=-0.677),エネルギー比率 (炭水化物ρ=-0.846,動物性たんぱく質ρ=0.661),第5波では,エネルギー比率 (炭水化物ρ=-0.720),第6波では,ビタミンK (ρ=-0.729),エネルギー比率 (動物性たんぱく質ρ=0.601) であった。第6波ではオミクロン株の感染が主流であるが,食物繊維のほかに野菜との関連も示唆された。</p><p>【結論】近年の国内の新型コロナウイルス変異株の感染と一部の栄養素等の摂取量との関連が示唆されたが,さらなる多面的な調査研究が必要となる。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 81 (3), 120-128, 2023-06-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (12)*注記

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