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- タイトル別名
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- TREATMENT OUTCOMES OF BLADDER NECK CONTRACTURE AFTER TRANSURETHRAL PROSTATE SURGERY
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抄録
<p> (目的) 膀胱頚部硬化症(BNC)は前立腺肥大症(BPH)の手術合併症の1つだが,経尿道的膀胱頚部切開術(TUI-BN)に関する報告は少ない.経尿道的前立腺手術後のBNCにTUI-BNを施行した症例の治療成績を検討した.</p><p> (対象と方法) 2015年2月から2021年1月にTUI-BNを行った25例を対象に①患者背景②BPHの手術からTUI-BNを行うまでの期間③発見契機④術式・周術期経過⑤TUI-BN前後の排尿機能⑥術後の転帰について後方視的に検討した.</p><p> (結果) ①年齢は77歳,BPHに対する術式は経尿道的前立腺切除術4例,電解質溶液下経尿道的前立腺切除術9例,経尿道的前立腺核出術12例.②TUI-BNまでの期間は中央値364日で18例(72%)が2年以内に施行.③有症状症例は21例で,そのうち尿勢低下を16例に認めた.④手術時間は14分,術式は4・8時方向の2切開が44%と最多であった.⑤4・8時を含む切開群で最大尿流量率は術前11.1mL/sから術後20.9mL/sへ改善した(P=0.004).また有症状症例21例中16例(76%)で尿流量率が改善した(P<0.01).⑥TUI-BN術後8例は経過良好で,観察期間は170日であった.2例に再手術を要した.</p><p> (結論) BPHに対する手術後2年以内にTUI-BNを施行した症例は72%と多く,初回TUI-BNの成功率は92%と予後良好であった.</p>
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 113 (3), 90-95, 2022-07-20
一般社団法人 日本泌尿器科学会