HbA1cを指標とした糖尿病教室9年間の活動の評価

  • 澤田 美雪
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 兼松 健也
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 鈴木 紫帆
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 増田 友紀
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 中村 文子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 杉原 匡美
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
  • 吉井 秀徳
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター糖尿病・内分泌内科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of activities for nine years in a diabetes medical treatment class using hemoglobin A1c as an index
  • HbA1c オ シヒョウ ト シタ トウニョウビョウ キョウシツ 9ネンカン ノ カツドウ ノ ヒョウカ

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抄録

<p>「糖尿病教室」は,患者治療の一環として実施される生活指導の場である。しかし,通院は時間的・身体的な負担が大きく,続かないことも経験される。そこで糖尿病教室の受講状況とヘモグロビンA1c(HbA1c)の関連を後方視的に解析し,有効かつ実践的な糖尿病療養指導のあり方を検証した。対象は2013年から2021年までに当センター糖尿病・内分泌内科主催の糖尿病教室を受講し,HbA1cを測定し得た339名である。患者年齢の中央値は66歳,男性が57.2%である。糖尿病教室では医師,理学療法士,管理栄養士,薬剤師,看護師,臨床検査技師の講義を受講する。初回受講と最終受講の前後1ヶ月内にHbA1c(NGSP)をHLC-723G11(東ソー)で測定した。受講前後のHbA1cの変動は,悪化28名(8.2%),不変120名(35.4%),改善104名(30.7%),著効87名(25.7%)であった。著効例は,男性・理学療法受講者で有意であった。HbA1c値8.0%以上の群では,男性・3回以上受講・理学療法受講者で有意に著効した。看護師/臨床検査技師受講者の著効率も高かった。糖尿病患者におけるHbA1cの改善は,受講回数が多いこと,理学療法の受講が有効であり,糖尿病教室の成果が示された。糖尿病は,多職種がチームとして取り組み,患者を支えることが重要である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (3), 325-330, 2023-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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