がんゲノム医療拠点病院における個別化医療実践に向けた取り組み

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  • ガン ゲノム イリョウ キョテン ビョウイン ニ オケル コベツカ イリョウ ジッセン ニ ムケタ トリクミ

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<p>新潟大学は,2019年9月にがんゲノム医療拠点病院に指定された.当科では1年間で15例の標準治療終了見込みの婦人科がん症例に対してがん遺伝子パネル検査を実施したが,ゲノム情報に基づいた新しい治療選択を提案できたのは3例であり,全例がんゲノム中核拠点病院への紹介が必要であった.当院での治療機会を増やすためには,臨床試験に積極的に参加するなどの出口戦略が不可欠である.そこで,臨床試験立案を目指して,自治医科大学,大阪大学,新潟がんセンター新潟病院,国立遺伝学研究所との共同研究を行い,希少がんである卵巣成熟嚢胞性奇形腫悪性転化に対するオミックスデータ解析を実施した.そのうち,卵巣扁平上皮癌は,皮膚扁平上皮癌よりも肺扁平上皮癌と類似した遺伝子発現プロファイルであった.また,卵巣扁平上皮癌では,特異的にXCL1が高発現しており,腫瘍のXCL1発現は,腫瘍内CD8陽性T細胞の浸潤の程度と腫瘍細胞のPD-L1発現と有意に相関していた.卵巣扁平上皮癌では,XCL1によるPD-1/PD-L1系を介した免疫逃避状態にあることが示唆され,PD-1/PD-L1阻害薬が奏効する可能性があり,現在臨床試験を準備している.</p>

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