切除可能進行食道癌に対する術前DTX+CDDP+5-FU療法2コースの有用性の検討

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タイトル別名
  • Efficacy and Tolerance of Two-Course Neoadjuvant Chemotherapy with Cisplatin and 5-Fluorouracil Plus Docetaxel (DCF) for Locally Advanced Esophageal Cancer

抄録

<p>目的:切除可能食道扁平上皮癌に対して術前DTX+CDDP+5-FU(以下,DCFと略記)療法3コースが新たな標準治療となった.当科では2019年よりDCF療法を導入し,忍容性を考慮して2コースとしている.本研究の目的はCDDP+5-FU(以下,FPと略記)療法とDCF療法の治療成績を比較することとした.方法:切除可能食道扁平上皮癌に対して,2016年4月から2022年3月までにFP療法2コース後に外科的切除を施行した15例と,DCF療法2コース後に切除した17例を対象とした.主要評価項目を化学療法奏効率,副次評価項目を忍容性,再発率とした.結果:両群間の患者背景に有意差を認めなかった.Grade 3以上の好中球減少症/発熱性好中球減少症はFP群で1/0例,DCF群で6/3例,化学療法完遂率はFP群100%,DCF群82.3%であった.化学療法の臨床的PD/SD/PR/CRはFP群2/6/7/0例,DCF群2/1/14/0例であり,全奏効率(overall response rate;ORR)はFP群46.7%,DCF群88.2%で有意差(P=0.021)を認めた.切除標本にてcStageに比べdown stageした症例はFP群20.0%,DCF群70.6%であり有意差(P=0.006)を認めた.1年以内の早期再発を認めたのはFP群30.8%,DCF群0%であった(P<0.036).結語:切除可能食道扁平上皮癌に対する術前DCF療法はFP療法と比較し,有害事象は強い反面,高い奏効率と比較的良好な治療効果を示した.術前DCF療法2コースでの当科における治療経験を報告した.</p>

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参考文献 (12)*注記

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