内シャント造設後に心不全を繰り返した低流量低圧較差大動脈弁狭窄症の1例

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タイトル別名
  • A case of low-flow low-gradient aortic stenosis with repeated heart failure after arteriovenous fistula creation
  • ナイ シャントゾウセツゴ ニ シンフゼン オ クリカエシタ テイリュウリョウ テイアツ カクサ ダイドウミャクベン キョウサクショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は維持血液透析中の75歳男性.頻回シャント狭窄のため対側肢での内シャント造設を予定し,術前に実施した心エコー検査で低流量低圧較差大動脈弁狭窄症が疑われたが,無症候であり術後に精査を行う予定であった.術後3日目に急性心不全を発症し当院に緊急入院となった.入院後も心不全治療に難渋し,重症度評価のためのドブタミン負荷心エコーを施行できなかったが,大動脈弁石灰化スコアが高値であったため重症大動脈弁狭窄症の診断に至り,外科的大動脈弁置換術にて心不全症状の改善を得た.低流量低圧較差大動脈弁狭窄症は,大動脈弁通過血流量が低下する病態を背景にもち,大動脈弁通過血流速度や平均圧較差が上昇せず,重症度が過少評価されやすい.透析患者は,大動脈弁狭窄症の罹患率が高いため,低流量低圧較差大動脈弁狭窄症の重症度を適切に評価し,重症度に応じた治療法を選択していくことが重要である.</p>

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