便失禁、尿失禁女性に対する経肛門高密度焦点式超音波療法の効果

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  • Effects of transanal high-intensity focused ultrasound therapy on female patients with fecal and urinary incontinence

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抄録

<p>目的:便失禁および尿失禁の女性に対して、直腸内の筋層を照射する、経肛門高密度焦点式超音波療法high intensity focused ultrasound (HIFU) を考案し、効果を後方視的に評価した。新開発の肛門用カートリッジの有効性も検討した。</p><p>対象と方法:2022 年1 月までの3 年8 か月間に経肛門HIFU を施行した93 例(平均年齢67.7 歳)を対象とした。 効果判定にはWexner score、International Consultation on Incontinence Questionnaire-Shot Form (ICIQ-SF) を用いた。</p><p>結果: Wexner score とICIQ-SF はHIFU 前に比較してHIFU 後早期に有意に低値を示した。便失禁75 例中41 例、尿失禁43 例中18 例で2 年後まで評価可能で、Wexner score、ICIQ-SF ともに2 年後までもHIFU 前に比較して有意に低値を示した。便失禁、尿失禁症状はともにHIFU 後7 日目(中央値)に改善したと認識され、外肛門括約筋の筋力が反映される最大随意収縮圧はHIFU 前に比較してHIFU 後早期に有意に上昇した。</p><p>結論:経肛門HIFU により照射された直腸縦走筋層が収縮し、外肛門括約筋に影響を及ぼした可能性が示唆された。 便失禁、尿失禁女性に対する経肛門HIFU は経腟HIFU と同様に低侵襲的治療法の一つとなり得ることが示唆された。</p>

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