書誌事項
- タイトル別名
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- A case of rectal endometriosis recurred during post-bilateral oophorectomy with hysterectomy hormone replacement therapy
- シキュウ ・ リョウガワ フゾクキ テキシュツ ジュツゴ ノ ホルモン ホジュウ リョウホウ チュウ ニ サイネン シタ チョクチョウ ナイマクショウ ノ 1レイ
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抄録
閉経前に両側卵巣を摘出した女性のQOLを維持するため,術後ホルモン補充療法(HRT)を行 うことが推奨される.一方で,子宮内膜症のために子宮および両側付属器を摘出された女性に対してHRTを実施すると,内膜症病変の再発やその悪性転化が起こる可能性が報告されている.症例は49歳経産婦.43歳時に両側卵巣子宮内膜症性囊胞に対して子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した.49歳時に更年期症状を訴えたため,骨盤内に腫瘍性病変がないことを確認したうえでエストロゲン単独療法を開始した.更年期症状は速やかに改善したものの,7カ月後に骨盤内に8 cm大の不整形腫瘤が出現し,MRIで腫瘤内腔に造影効果を伴う壁在結節を認めた.Positron emission tomography/computed tomography(PET/CT)で同部位に有意な18-fluoro-2-deoxy-D-glucose(18FDG)の集積を認め(SUVmax=5.17),悪性腫瘍が強く疑われた.開腹腫瘍摘出術を行ったが,腫瘍は周辺臓器と強固に癒着しており,直腸合併切除を要した.術後病理結果は直腸壁を全層性に浸潤する子宮内膜症で,悪性所見はなかった.閉経前に両側卵巣摘出を受けた女性では,たとえ子宮内膜症の合併・既往があったとしても,術後早期からHRTを導入することがそのQOL維持につながる.子宮内膜症の合併・既往がある女性に対するHRTでは子宮摘出後であっても,術前の子宮内膜症の重症度が高く残存病巣の可能性が高い症例については,子宮内膜症の再発を最小限にするためにエストロゲン・プロゲストーゲン併用療法(EP療法)を選択することも考慮される.ただしEP療法でも子宮内膜症の再発は起こりうるため,厳重な経過観察が必要である.〔産婦の進75(3):344-351,2023(令和5年8月)〕
収録刊行物
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- 産婦人科の進歩
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産婦人科の進歩 75 (3), 344-351, 2023-08-01
近畿産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390859912502742656
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- NII書誌ID
- AN00099490
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- ISSN
- 13476742
- 03708446
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- NDL書誌ID
- 033007225
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可