国立病院機構における人件費投資と医業収益

  • 中川 義章
    国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター
  • 伊藤 道徳
    国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター
  • 中川 義信
    国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of financial status and personnel investment of National Hospital Organization (NHO) in Japan
  • コクリツ ビョウイン キコウ ニ オケル ジンケンヒ トウシ ト イギョウ シュウエキ

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抄録

<p> 国立病院・療養所はより効率的な運営を目指し2004年に独立採算型の独立行政法人へと移行し、2013年で10年が経過した。この間に5年ごとの経営計画を立て運営が行われてきた。第1期は設備投資の抑制と人件費投資により経常黒字病院の増加、第2期は設備投資の再開を行いつつ安定的な経営を成し遂げている。本研究では特に人件費投資の側面から、第1期、第2期の経営状況を医業収益および医業費用に関する経営上の背景を分析した。</p><p> 2004年度から2013年度まで取得可能な143病院の損益計算書等から人件費をベースとした分析手法を用い、国立病院機構が分類している6つの病院群に対する分析を行った。</p><p> 病床あたり人件費投資は6病院群全てにおいて継続した増加傾向が認められた。特に350床以上の一般病床の2病院群では常に増加していた。また、経営状況は一般病床を350床以上有する2病院群ならびに障害者医療中心に提供するグループで安定していた。一方、非急性期、特に精神科病院群では人件費とは無関係な変動が認められた。</p><p> 機構本部がコントロールセンターとしての役割を果たしつつ、病院ごとの独立採算を徹底し、人件費ならびに投資に関する多くの経営判断を経営責任者である病院長の判断にゆだねた結果により、多くの病院において良好な経営状況となったことが推測された。</p>

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