流行歌の歌詞における二重表記の用法 : 主表記と副表記との意味的関係に着目して
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- 胡 佳芮
- 一橋大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Usage of Double Notation in Popular Song Lyrics : Focus on the Semantic Relationship between the Main Notation and Subsidiary Notation
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説明
流行歌の歌詞には「瞬間(とき)」のような二重表記が見られる。二重表記とは、「瞬間」のように語の書字形を示す「主表記」と、「(とき)」のように主表記に添えて注記や傍記の形で語の発音形を示す「副表記」を合わせた表記形式である。本稿は主表記に示す書字形と副表記に示す発音形とが、辞書に記載されている一般的対応関係を持たない二重表記に注目する。本研究は1960 年代以降の流行歌から実例を収集し、主表記と副表記の意味的関係から、歌詞における二重表記の用法分類を考察した。その結果、主表記と副表記とは意味が近いものが[言い換え][翻訳][単純化][精緻化][対立]の5 つに、意味が遠いものが [相補][空耳][比喩][指示]の4 つに分かれた。二重表記の一般的用法である[言い換え][単純化]は歌詞においても高い使用率でありながら、主表記の意味が副表記の意味を包摂している[精緻化]や、外国語である主表記の発音に類似する日本語の発音を副表記で示すという[空耳]などの用法が新しく観察された。
収録刊行物
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- 一橋大学国際教育交流センター紀要
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一橋大学国際教育交流センター紀要 5 17-28, 2023-07-31
一橋大学国際教育交流センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390859989726555648
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- NII書誌ID
- AA12872099
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- DOI
- 10.15057/79969
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- HANDLE
- 10086/79969
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可