下半視野におけるタスクパフォーマンスの優位性の要因としてのタスクと無関係の刺激に対する注意の減少の検討

  • TSURUHARA Aki
    Aeromedical Laboratory, Japan Air Self-Defense Force
  • ARAKE Masashi
    Acquisition, Technology & Logistics Agency, Ministry of Defense
  • OGAWA Takaaki
    Acquisition, Technology & Logistics Agency, Ministry of Defense
  • AIBA Yuko
    Aeromedical Laboratory, Japan Air Self-Defense Force

書誌事項

タイトル別名
  • Is Better Task Performance in the Lower Visual Field Accompanied with Reduced Attention to Task-irrelevant Stimuli?

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説明

先行研究において、空間的注意は、下半視野 (LVF)に向けられた場合に、上半視野 (UVF) に向けられた場合よりも、その領域における刺激の視覚的な処理を促進することが報告されている。本研究では、LVFへの空間的注意が、LVFにおける視覚処理課題のパフォーマンスの優位性にどのように関係するのかについて、課題とは関連のない点滅に対する定常型視覚誘発電位 (SSVEPs) を無関係な情報への注意の指標として用いて検討した。点滅刺激への注意はSSVEPsの振幅を増大させ、点滅刺激から注意がそれると振幅が減少することが示されている。実験では、被験者はコンピュータ画面のLVFもしくはUVFのいずれかに視覚刺激が提示される視覚弁別課題を実施した。試行中は、LEDが課題とは独立に画面の左右いずれかの端で点滅し続け、その点滅に対するSSVEPsが分析された。結果から、UVFに刺激が提示された条件に比べて、LVFに刺激が提示された条件の方が弁別課題のパフォーマンスはよく、課題とは関連のない点滅に対するSSVEPsの振幅は大きかった。これらの結果は、空間的注意は、LVFに向けられた場合に、UVFに向けられた場合よりも、視覚処理課題において知覚的負荷を減らすという説明と整合する。本研究は視覚課題におけるUVFに対するLVFの優位性は、課題と無関係な刺激への注意が減少したためではないことを示唆している。

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