和歌山市出身若年層における否定辞使用の多様性とその要因

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  • ワカヤマシ シュッシン ジャクネンソウ ニ オケル ヒテイジ シヨウ ノ タヨウセイ ト ソノ ヨウイン

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抄録

研究論文

和歌山市では「ン」「ヤン」「ヘン」「ナイ」という4種類の否定辞が使用されているが、「ヤン」が五段動詞に接続できないこと以外は明らかでない部分が多い。そこで本研究では和歌山市出身若年層における否定辞使用の実態を明らかにするとともにその否定辞使用に影響を与えている要因について検討した。否定辞使用実態については会話録音調査、影響を与えている要因についてはアンケート調査とインタビュー調査を行って話者の属性と意識の両面から考察した。結果として、和歌山市出身若年層全体としては五段動詞には「ン」を、五段動詞以外には「ヤン」を主に使用しながら複数の否定辞をバリエーションとして持っていることが明らかになった。さらに詳細に分析を行うと、否定辞使用には「和歌山市型」、「関西方言バリエーション型」、「標準語バリエーション型」、「マルチ型」の4つのタイプがあることが分かった。これらの否定辞使用タイプに影響を与えている要因としては生え抜き度や居住歴・生活圏といった属性からの影響が多く見られ、意識からの影響はわずかにとどまった。

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