患者のスピリチュアルペインに対する関わりとして病理解剖を行った1例

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  • Pathological autopsy as patient's spiritual care—A case report

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抄録

<p>患者は,60 歳代の左上顎洞がんの男性。お盆に両親の仏壇に線香を上げるために一時退院を行った後から,「自分にはもう家族もおらず,病気のことを心配する人もいない。変に長生きしても意味がない」との思いを表出するようになった。</p> <p>話を傾聴すると,「これからの人の役に立ちたい。」との思いを話されたため,病理解剖についての説明を行った。患者は興味を示し,死亡診断後に遺志に沿って病理解剖を行った。</p> <p>本症例では,傾聴,情報提供,選択の支持・展開という具体的なプロセスで対応し,中でも病理解剖は患者のスピリチュアルペインに対して,時間性,関係性,自律性のそれぞれにおいて,ケアとしての側面を持つと考えられた。</p>

収録刊行物

  • 死の臨床

    死の臨床 45 (1), 141-144, 2023

    一般社団法人 日本死の臨床研究会

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