男鹿半島五里合低地を埋積する沖積層の層序と環境変遷

書誌事項

タイトル別名
  • Sedimentary facies and environmental evolution of the alluvium in the Iriai lowland, Oga Peninsula

抄録

<p>男鹿半島北岸,五里合低地で掘削された6本の沖積層ボーリングコアの層相解析,放射性炭素年代測定,珪藻化石分析および花粉化石分析に基づいて,堆積盆の基盤を構成する地層,堆積盆の埋積過程と完新世の環境変遷を検討した.五里合低地では,約15~20 mの厚さの沖積層が,最終氷期の堆積面が削剥されて形成された幅広い堆積盆を埋積している.堆積盆の基盤は,上部更新統潟西層の砂層および約40,000年前の湿地堆積物からなる箱井層最下部である.五里合低地の環境は,後氷期の温暖化による海進の影響よって,扇状地から約10,000年前には氾濫原となり,8,500年前には湾となった.縄文海進高頂期には,汽水あるいは海水の影響を受ける淡水の水域に変化した.その後,海退に伴うデルタの前進によって水域は南から次第に縮小し,3,000年前ごろには全域が湿地となり,次第に乾燥化して現在のような低地に変化した.</p>

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 62 (3), 105-119, 2023-08-01

    日本第四紀学会

参考文献 (15)*注記

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