肺高血圧症患者のQOLに関連する因子の検討

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  • Factors Associated with Quality of Life in Patients With Pulmonary Hypertension

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抄録

<p>目的:emPHasis-10を用いて,肺動脈圧以外に肺高血圧症(PH)患者のQOLに関連する因子を明らかにすること.</p><p>方法:対象は2018年6月~10月の間に当院で右心カテーテル検査を行った薬物治療中のPH患者88例とした.患者基本情報,血行動態指標,emPHasis-10,筋力,6分間歩行距離(6MWD),酸素療法の有無,罹患期間を診療録から後方視的に抽出した.emPHasis-10の合計点を従属変数,その他の項目を独立変数として重回帰分析を行った.</p><p>結果:対象患者の年齢は59(46-71)歳,肺動脈性肺高血圧症(PAH):慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)=32:56例,平均肺動脈圧19(16-24) mmHg,emPHasis-10の合計点17(9-28)点,6MWD 436(373-509) m,酸素療法 有:無=12:76例,罹患期間5(2-9)年であった.emPHasis-10の合計点と6MWDおよび罹患期間の間に有意な相関を認め,標準化偏回帰係数はそれぞれβ=−0.46(95%CI:−0.72,−0.19,p<0.01),β=0.32(95%CI:0.13,0.51,p<0.01)であった.</p><p>結論:肺動脈圧の低減が得られた薬物治療中のPH患者でもQOLは低下しており,そのQOLには運動耐容能と罹患期間が影響を及ぼしていることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 54 (8), 906-911, 2022-08-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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