顎顔面骨格と咬合湾曲の関連性に関する研究

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タイトル別名
  • Relationship between the Morphology of Maxillofacial Skeletons and Occlusal Curvature

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説明

緒言:近年,シミュレーションソフトの進化に伴い,歯の移動のシミュレーションが容易となった。しかし,様々な顎顔面骨格の患者における歯列の適正な位置の設定方法は明確ではない。そこで本研究では,新たに3種類の咬合湾曲を定義し,初診時における頭蓋顎顔面形態と各咬合湾曲の関係を比較検討することを目的とした。方法:本研究では,骨格性Ⅱ級brachyfacialパターン24例と,骨格性Ⅲ級dolicofacialパターン20例,骨格性I級mesiofacialパターン20例の患者を対象とした。また,頭部X線規格写真から得られた,3つの咬合湾曲を新たに定義 した。1)loading occlusal curvature:咬合接触の強い部位3点を連ねた咬合湾曲。2)mechanical occlusal curvature:咬合接触の強い部位2点と下顎頭の最上縁点を通る咬合湾曲。3)morphological occlusal curvature:下顎歯全頰側咬頭頂を近似的に通る咬合湾曲。そして3つの咬合湾曲を顎顔面形態,overjetやoverbiteと比較した。結果:3つの顎顔面パターンいずれにおいてもmechanical occlusal curvatureの中心点はnasionの周辺に位置していた。mechanical occlusal curvatureの半径は,骨格性I級mesiofacialパターンは,骨格性Ⅱ級brachyfacialおよびⅢ級dolicofacialパターンよりも有意に大きかった。骨格性Ⅰ級mesiofacialパターンのloading occlusal curvatureの半径は,overjetと中等度の負の相関が認められた。結論:Mechanical occlusal curvatureは,3群全て歯列上方に向かって弧を描き,その中心点はNasion周辺に位置した。

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参考文献 (16)*注記

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