難処理古紙の利用技術

書誌事項

タイトル別名
  • Advanced Technology of Handling Recycle Papers with Wet-strength

抄録

古紙状況につき,2021年頃までは国内古紙は余剰傾向であったが,それ以降コロナ禍や天候等の影響を受け,古紙の発生や回収が低調となり,今現在も国内古紙在庫も減少傾向である。<br>具体的には昨年1月~10月までの古紙回収量は2021年と比較し2.4%減となっており,このまま推移すると一昨年に比50万トン弱減少する見通しとなる模様である。<br>一方で古紙利用率は66%以上と高い水準であり,古紙回収量が減少する中,製紙工場は生産を維持していかなければならない。必然的に古紙争奪が激しくなり,価格上昇,これまで廃棄されていた古紙についても原料として使用せざるを得ない状況となっている。<br>このような状況に対抗すべく,離解工程における連続式デトラッシュシステム「S-PAL」を提案する。これまでのパルパーデトラッシュシステムであるバッチ処理のデトラッシュシステムと比較し,異物処理効率を劇的に改善したシステムとなっており,この状況を打破する有効な手段である。<br>「S-PAL」システムは,それぞれ新規に開発された無閉塞ポンプ・デトラッシャー・ドラムスクリーンから構成される。連続的に異物の処理が可能となった結果,処理効率は大幅に向上。供給される異物に対して,処理効率が上回る結果となった。<br>これら新技術は,日本国内のみならず,全世界的に採用・実績が進んでおり,今後もより厳しくなる現状に対抗できる提案であると確信している。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (8), 720-724, 2023

    紙パルプ技術協会

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