-
- 織戸 慧
- 株式会社IHIフォイトペーパーテクノロジー 技術営業部 原質機械グループ
書誌事項
- タイトル別名
-
- The Latest Detrashing Technology with Intensa Series
抄録
パルピング工程におけるデトラッシュシステム(異物処理)はパルパの能力を維持するために不可欠なものであり,近年の原料古紙の品質悪化傾向によりその重要性は年々高まっている。<br>デトラッシュシステムは補助離解機と洗浄・脱水機にて行われるが,近年ではよりパルパから異物を積極的に引き抜くために特に補助離解機の効率化が求められている。弊社インテンサシリーズはこの要望に応える特徴を備えている。<br>インテンサマックスは2010年にリリースされて以来現在まで300台以上の実績がある。特徴としては,まず,ロータとスクリーンプレートが本体上部に設置されているため,異物の巻き込みや摩耗が起こりにくく交換部品の寿命が長くなる。次に,ロータ中心軸とケーシング中心軸とが傾いた角度で配置されており,ケーシング内の同心円状の回流が起こりにくくすることで異物同士のからまりによる粗大化を防いでいる。また,リジェクト配管を本体最下部,かつ入口配管の近くに設置することで,重量異物の効果的な排出と,異物の不要な巻き上がりを防止している。<br>このインテンサマックスの導入例として,従来の補助離解機二台をインテンサマックス一台に交換した場合,省エネ効果として年間約1,560万円,かつメンテナンスコストを年間約600万円削減することが可能となり,安定したデトラッシュシステムの稼働が可能となった。<br>インテンサスクリーンドラムは従来型にはない洗浄機能を兼ね備えた脱水機である。特徴としては,ドラム自体に傾斜をつけることで異物を十分に洗浄することができ,繊維ロスを防止している。また,ドラムを回転数制御しているため,様々な処理条件に応じることが可能である。洗浄機能を付与したことで,補助離解での洗浄工程を省け取込工程などその他に時間を充てることができた。<br>弊社最新機種を導入することで,ライン全体の品質向上や工程の効率化を大幅に図ることができる。
収録刊行物
-
- 紙パ技協誌
-
紙パ技協誌 77 (8), 714-719, 2023
紙パルプ技術協会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390860255282881280
-
- ISSN
- 18811000
- 0022815X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可